千本釈迦堂の本堂は、1227年に建てられた国宝の建築物です。
【千本釈迦堂】
当時この建築を請け負った棟梁・長井飛騨守高次は、本尊を飾る四天柱の一本の寸法を誤り、短く切ってします。
取り返しのつかない事をしてしまい悩んでいる夫に妻のお亀が、お釈迦様の夢のお告げの話をします。
それは四本の柱を短く切りそろえて、斗供(ときょう)を組んで継ぎ足すという方法 でした。
斗供のおかげで立派な四天柱ができ、高次の名誉は保たれました。
しかしお亀さんは、女の入れ知恵で上手くいったと世間に知れたら、夫の名誉を傷つける事になり、自分が生きている限り、夫はいつもそれを心配するのではないかと、上棟式の前日に自害します。
高次は妻の心に打たれ全てを公表し、御幣の先にお亀さんの面を飾り、妻の冥福と本堂の完成を祈願しました。
この事から現代でも上棟式には、お亀さんの面を飾ります。
【お亀さん】
災い転じて福となす―お亀さんは、お多福と呼ばれるようになります。
千本釈迦堂の境内にある大きなお亀像は、建築関係各企業が寄進したものです。