9.虎の子渡し

南禅寺方丈前庭は、小堀遠州による「虎の子渡し」と呼ばれる枯れ山水庭園です。
石を親虎・子虎に見立て、白砂で川水を表し、虎の親子が河を渡っていく様子にしてあります。

南禅寺庭園

【南禅寺庭園】

中国で素晴らしい皇帝が現れ善政がしかれますと、兎や鹿を襲って食べている虎にとっては、悪い事をしている気になり、大変居心地の悪い国になったものだと、子供達を 連れて国境の運河を渡って他国へ去って行きます。

「虎の子渡し」とは、善政がしかれた国を表し、時の政権・徳川幕府をたたえているわけです。

ここでクイズです。

親虎が対岸へ子供を一匹ずつ咥えて渡したいのですが、親虎がいないと、豹の子は、虎の子を食べてしまいます。
豹の子も含めて一匹ずつ咥えて、三匹とも対岸へ渡すには、どういう順序で渡していけばいいのでしょうか?

このクイズから、やりくりしなければならない家計を「虎の子渡し」といいます。
また、虎は子供をとても大事にすることから大事なものを「虎の子」というようになりました。

クイズの答え

最初に豹の子を渡し、次に虎の子を渡し、その帰りには豹の子を咥えて戻り、そしてもう一匹の虎の子を渡して最後に豹の子を渡します。