10.醍醐味

貞観年間(859?877年)、理源大師・聖宝(しょうぼう)が、山上に草庵を結び、准胝観音と如意輪観音をまつったのが、醍醐寺の起こりです。

聖宝は、山中で白髪の老人(横尾明神)が、涌水をおいしそうに飲み、「ああ、醍醐味なり」と嘆声を発するのに出会います。

醍醐寺の名はこの事にちなみます。

醍醐水

【醍醐水】

野球の醍醐味、相撲の醍醐味と言いますが、醍醐味とは、牛乳を精製していく過程で、

「乳」「酪」「生酥(しょうそ)」「熟酥(じゅくそ)」「醍醐」

の5段階の味があり、「醍醐」は、その最上のものを指します。
これを仏教の修行によって到達する段階になぞらえ、醍醐味は、仏の悟りの境地にあたります。

醍醐水は今も涌いており、儀式の時に聖水として使う閼伽の水として利用されています。
「閼伽」とは、アクアで水のことです。
醍醐味はサンスクリット語で、サルピス・マンダといい、清涼飲料水でおなじみのカルピスの名は、醍醐味からとられています。

カルピス

【カルピス】