11.競べ馬(くらべうま)

五月五日の上賀茂神社の「競べ馬」は、徒然草にも取り上げられている有名な祭りです。

競べ馬

【競べ馬】

毎年二軒の社家が選ばれ、それぞれ十頭ほどの馬を一頭ずつ出して競走させます。
落馬事故もある本格的な競馬で、その年の稲の豊凶を占う神事です。

そして勝った方の社家は得意満面で夜毎酒宴を催し、 負けた方の社家は人目をはばかり門を閉ざします。用事があっても夜こっそり出かける始末です。

一週間ほどして行われるのが貴船神社の「しもと祭」で、これは負けた方の社家が勝った方の社家とその時の審判を呼びつけ、梅の枝で打ち据える行事です。
ふたりに対して、悪口雑言、うっぷんばらしで何を言ってもかまいません。

こうして負けた方のの社家の気持ちがおさまって、初めて祭りが終わったということで、競べ馬のために作られていた「らち」がはずされます。

「埒(らち)があく」という言葉は、ここからきています。
関西人が駄目な事を「あかん」というのも、この「埒があかん」の「あかん」なのです。