14.上がったり大明神

「露と落ち露と消えにし我が身かな なにわのことも夢のまた夢」

戦国の世を駆け抜けた天上人、豊臣秀吉は1598年伏見城で息をひきとり、京の町を見渡せる東山・阿弥陀ヶ峰に葬られます。
その後、壮麗な豊国廟が建てられ、正一位豊国大明神として、豊国社に祀られます。

豊国神社

【豊国神社】

しかし、徳川幕府は、豊臣の権威を拭い去るため、伏見城や豊国社を取り壊し、豊国廟も修理は一切まかりならぬと厳命を下します。
正一位と最高の地位まで上がった豊国さんですが、豊国廟は江戸期を通じて荒れ放題の無残な状態でした。

商売人が、ダメなことを「あがったりですわ」というのは、ここからきています。
現在の豊国神社は、明治13年に再建されました。

その時、徳川の力で南禅寺・金地院に移築されていた伏見城の遺構、桃山期の逸品、国宝の唐門が社前を飾り、名誉を回復しています。