26.龍頭(りゅうず)

お寺の鐘の最上部に、吊す為の突起が付いていますが、そこに龍の頭が左右に意匠されています。
これを「龍頭」と云いますが、正確には龍の子供の「蒲牢」(ほろう)です。

龍頭

【龍頭】

龍には、龍生九子(りゅうせいきゅうし)といって九匹の子供がいますが、
各々特異な性格を持っていて、「蒲牢」は
龍に似て吼える事、大声を出すのが大好きな子です。

それならと、鐘の最上部の突起を「蒲牢」の二つの頭部で作り、それぞれ顔を外側に向け両側に置き、四方八方遠くまで鐘の音が響き渡るのを手伝わせよう……
という事で「蒲牢」の二つの頭がデザインされたというわけです。

この龍の頭があるので、鐘の吊す部分を「龍頭」と呼びますが、昔はお寺の鐘の音の数が時間を知らせてくれました。
時間を知らせる物、懐中時計や腕時計のネジを巻く突起をりゅうずといいますが、お寺の鐘の「龍頭」からそう呼ばれるようになりました。